第95回日本感染症学会学術講演会/第69回日本化学療法学会総会 合同学会

会長挨拶

 

第95回日本感染症学会学術講演会 会長挨拶

第95回日本感染症学会学術講演会
会長 藤田 次郎
琉球大学大学院 感染症・呼吸器・消化器内科(第一内科)

 第94回日本感染症学会学術講演会が8月19日から開催される。異例のお盆明けの開催である。現在、私の住んでいる沖縄県では、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている。2020年8月1日に出された「沖縄県緊急事態宣言」について、疫学的な観点を踏まえて2週間延長し、8月29日までとすることが決定された。沖縄県の専門家会議の座長である私は、その立場上、東京で開催される総会への出席が叶わなくなった。第94回は会場とWebとのハイブリッド開催であるものの、多くの学会はWeb開催へと変更され、再延期になったものもある。経済への影響も深刻である。2020年4月から6月までの国内総生産(GDP)は、年率換算でマイナス27.8%と、新型コロナウイルスの影響で過去最悪となった。全てが非日常である。今年当初に誰がこのような事態を予測できたであろうか。

 テレビでは、連日のように新型コロナウイルス感染症の話題が放送されている。症例をほとんど経験していない、自称専門家のコメントに振り回された感がある。コロナウイルスは熱と湿度に弱いので、夏になると消失するとも言われていたが、大間違いであった。猛暑の続く沖縄県が人口比で、日本一患者が多く、琉球大学病院にも、連日、中等症・重症患者が転送されてくる。PUBMEDを用いてCOVID-19で検索すると、41,488件がヒットした。学問の世界すらもがコロナウイルス感染症で支配された感がある。それだけに今後も継続して、日本感染症学会からコロナウイルス感染症に関するの統一した見解の発信が求められるいる。

 さて来年の日本感染症学会学術講演会のテーマは、「知識と智慧の集結 -大きな輪(和)で挑む感染症の課題-」とした。「輪」はチームを、「和」は日本オリジナルを意味する。学会長としての本音を述べると、来年のゴールデンウィーク明けの学会の頃のコロナウイルス感染症の状況を予測することは困難であり、学会のシンプル化を図りたいと考えている。まず海外からの演者の招聘は無理であろうと予測する。またコロナウイルス感染症の話題を中心とすることはいうまでもないものの、多数のシンポジウムが重複して進行することは避けたいと考えている。幸い日本化学療法学会学術集会との合同開催を決断したおかげで、松本哲哉教授とZoom会議で相談しながら企画を練ることができたのは幸運であった。またプログラム委員会委員長の栁原克紀教授、および副院長の山岸由佳教授には深謝したい。様々な困難な状況にありながら、我々両会長を支えてくれた(株)サンプラネットのスタッフの方々にも心から感謝したい。

第69回日本化学療法学会総会 会長挨拶

第69回日本化学療法学会総会
会長 松本 哲哉
国際医療福祉大学 医学部感染症学講座・同大学成田病院感染制御部

この度、第69回日本化学療法学会総会の会長を仰せつかることになりました。お陰様で第95回日本感染症学会学術講演会との合同学会として開催できることとなり、会長の藤田次郎先生と一緒に学会を開催できることを本当に光栄に思っております。
 言うまでも無く現在、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっており、社会全体が大きな影響を受けています。東京オリンピック・パラリンピックも2021年に延期が決まりましたが、安心・安全に開催できるかどうか先が読めない状況になっています。
 来年の本学会は2021年5月7日(金曜日)~9日(日曜日)にパシフィコ横浜で開催予定となっており、オリンピックよりも早い時期でもあり、通常の形式での開催は難しいかもしれません。ただし、私達はコロナ存在下での新たな社会を迎えつつあり、感染症に関連した本学会が貴重な情報共有の場になることは間違いありません。確かに多くの壁はあるかと思いますが、是非、ハイブリッド形式やオンライン形式を含めて開催できるように検討を進めたいと考えております。
 本学会のテーマは「知識と智慧の集結 -大きな輪(和)で挑む感染症の課題-」とさせていただきました。このような困難な時期であるからこそ、多くの"知識"を集めることが重要だと思っております。また、"智慧"とは真実を見抜く力を意味しており、集めた知識の中から真実を見出し情報を共有できる機会になればと考えております。さらに、"大きな輪(和)"は、多くの日本人が集まって、協力して課題に挑むことへの期待を表しております。
 本学会の開催にあたって、準備の先頭に立って頂いているプログラム委員会委員長の栁原克紀教授、副委員長の山岸由佳教授を始め、魅力ある企画をご検討いただいている各プログラム委員の先生方に改めて感謝いたします。また本学会の裏方としてサポートしていただいている(株)サンプラネットの方々にも感謝の意を表します。
 学会員の方々におかれましては、この困難な時期を乗り越えて、2021年の本学会においてみんなが笑顔でお会いできることを願っております。もしまだ緊張が解けない状況であれば、参加者が無事に混乱無く参加できるような学会になればと思っております。
 皆様の本学術集会への積極的なご参加をよろしくお願いいたします。

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